白夜行 第九話放送！

駄目だ･･･あまりにも今回の9話は辛すぎる。
何故 育ての親の礼子まで手をかけようとするんだよ･･･雪穂。

離婚をした雪穂を心配して駆けつける母・礼子。
初めて心の内を見せた雪穂に対して礼子はとても嬉しそうでした。
夕飯のシーンや二人で一緒に歩くシーン･･･
ここのやり取りは本当に二人が実の親子のようで今迄で一番心打つものでした。
礼子の笑顔と雪穂の笑顔にドラマの重さから開放された気がしたのですが･･･

薬剤師の典子に近付くことに成功した亮司。
亮司にしてみれば同じ幽霊である典子に近付くことなんて簡単なことなんでしょうか。
公園で「寒くない？」って聞く亮司の言葉はすごく優しかったし、
「寒～い」って嬉しそうに答える典子は亮司の優しさを素直に受け入れたんでしょう。
それだけに、亮司の策略を何も知らない典子の笑顔が哀れでした。

笹垣･･･あんたさえいなかったら･･･何度そう思ったことだろう。
礼子を再び訪ねて、余計な心配までさせて･･･
そのあげく、あんたには関係ないかもしれないけど、
近所の人から新しい「サボテン」を貰ってしまったじゃないか。
ああ･･･このサボテンが･･･不幸をまねく。

「自分達の真実に触れた人間には･･･死を与えるんです」
篠塚に語った笹垣の怖い顔と病室で眠る礼子の顔がオーバーラップします。
思わず「やめてくれよ」そう心の中で叫んでしまいました。
嫌な予感はどんどんふくらみ･･･
病室で庭の「あれ」について尋ねる礼子と表情をこわばらせる雪穂。

語りかける礼子に対してじっと礼子をみつめる雪穂の目には
どんどん涙があふれてきます。いろんな思いがよぎったのでしょう。

「自首しい･･･長生きするから･･･待っててあげるから･･･
あんたの帰るところはいつでもあるんやから」

八千草さん演じる母・礼子はどこまで優しいのだろう。
雪穂に語りかける言葉はどれも重くひとつひとつが熱く心に響いてきました。

それでも雪穂は頬を伝う涙を拭いながら、
笹垣の言った言葉通りに･･･死を与えようとするのです。
「ごめんね･･･お母さん･･･」
雪穂･･･やめてくれよ･･･もういいよ。

礼子に繋がっているチューブを外そうとする雪穂の手を止めた亮司は、
「２度目はダメだよ、無しだよ」と言います。
雪穂に罪を重ねて欲しくないという気持ちはわかるけど、
あの日あの場所から逃げ出した自分･･･雪穂の代わりに罪を犯し、
雪穂に償うことで生きる証とするなんて･･･もういいよ。

病室を去っていく雪穂とそれを見届けながら、
ふーっと力が抜けていくような母・礼子･･･
どんな思いだったのだろう。
全てを悟ったに違いないけれど余りにも惨すぎる。悲しすぎる。

幽霊からの遺言

どうか子供達に
本当の罰は心と記憶に下されると伝えてください。
飲み込んだ罪は魂を蝕み、やがて、その身体さえ
命さえ食い尽くす
どうか、その前に
どうか、親たちに伝えてください。

ここまで描いていいものなのか正直思いました。
「ドラマだから」そう言われれば何も反論できませんが･･･
偶然にも家族全員で見ていた今夜は途中で会話がなくなりました。
みなテレビの画面に釘付けだったけど、明かに雰囲気は暗かった。
TV雑誌か何かのインタビュー記事の中で石丸Pは･･･
「目標としていたのは思わずテレビを消しちゃうようなドラマ。見る人が疲れるような」
確かそんなことを言っていたけど、そういった意味では大正解なのかもしれない。

つまらない今夜の突っ込みです(^^ゞ
礼子の病室の各種医療機器･･･やたらピコピコ光っていました。
あそこまで派手じゃなくてもいいのに･･･消灯になったらまるでネオンみたいでしょう。
結果的には亮司が手をかけたのでしょうが、スイッチを操作したりしたら、
それらの記録は確実に残るはずです。
あのチュープにしても簡単にはずれるようなものではないような気がします。

ラストシーンの弥生子と真文のやりとり･･･泣かされました。
どんな形にせよ、子供を思う気持ちはしっかりと伝わってきました。

妖しい笑みの「今夜が峠なの･･･」
しっかり看護師に聞かれていましたね。あれも来週への伏線なのかな。

＜ ブログのご紹介 ＞

コメント欄でも紹介したのですが、この記事のTB欄の上から2番目の
「ＳＡＲＡＳＡ日より」のブログを是非訪ねて見て下さい。
こちらの管理人のbalinekoさんのレビューすごいです。
受け止め方、感想などはもちろん人それぞれだと承知していますが、
何か胸に詰まっていたものが少しだけ取れたような･･･
私自身はそんな感想を持ちました。

とにかく素晴らしい洞察力です。特に＜罪びとは誰か？＞は必見です。
是非ご覧になってください。

Comments

[投稿情報: マリオが乗る恐竜]

＞礼子の病室の各種医療機器･･･やたらピコピコ光っていました。

あ　やっぱりNobさんもそう思った？　ですよね～～。＾＾

肝心なシーンの事については今回はドラマの流れたことそれ以上でもそれ以下でもないだろうからさらりと流した方がいいと思う・・・。

しかし人が死んだりするのが嫌なのでフツーの推理小説でも大嫌いな私としては
（実際ミステリーの類は全く読まない。白夜行は６～７年ぶりくらい。）
不快指数がＭＡＸです。

[投稿情報: ＸＪ]

病室のたくさんの機械、チューブ…ホントあんな簡単にいったら患者さん沢山亡くなります。あれ？って思う場面、事柄が毎回ありますが…抜きにして、今回の話はあたくしも、うるうるきちゃいました(´Д`)

[投稿情報: Nob]

マリオ殿・・・こんばんは。
ピコピコはさ・・・ああいった場面では臨場感に欠けるよね。
倒れたにせよ、あれだけしゃべることの出来る礼子はそれほど重症にも見えなかったしね。
マリオ殿が言うように昨日は間違いなく不快指数MAXだった。

昨日だけは「綾瀬はるか」を全く感じなかった。
それって何かのインタビューにあったよね。
「私が演じていることを忘れるような・・・」って。
つまり、はるかちゃんの演技が間違いなく上達したってことか･･･

[投稿情報: せとくぼ]

レビューお疲れさま。
それより、ドラマ見ただけで疲れそうな回でしたね。
展開が早いというか、今までの伏線がなるほどという風に繋がってきましたね。
雪穂は育ての親の礼子をやっちゃいけないですよね。
それも、礼子の意識があるときに、しかも、あんな風に諭されているのに・・・
ドラマでは、亮司が止めに入ってしまったけれど、
もう少し雪穂が逡巡する仕草のシーンが欲しかった。
それでないと救われない気がします。
礼子のそのときの気持ちを考えると、そこまでしなくともと思いましたね。
なにがそこまで追いつめてしまったのか。
あのときのボタンの掛け違いが、ここまで響いてきているんですね。
不幸な生い立ちという一語につきるのでしょうか。

[投稿情報: Nob]

XJさんもうるうるしちゃいましたか・・・
ちょっとね、考えさせられると言うか・・・重過ぎましたね～
見ていてほんと辛すぎました。

[投稿情報: kid A]

＞スイッチを操作したりしたら、それらの記録は確実に残るはずです。
＞「今夜が峠なの･･･」しっかり看護師に聞かれていましたね。

これは記録に残っている時刻に雪穂は電話をしていたというアリバイ作りですね。

昨日は１話以来はるかちゃんが出ていることも忘れるくらい見入ってしまいました。
ぼくには、はっきり純愛が見えました。しかし何が二人をそこまでさせるのか？
そこに至る背景ですね。それを考えるとやっぱり切ないです。
ぼくは全く不快感もなく感動しました。でもその感動はどこから来てるのか自分でもよく分からないんです。
もう一度見てまた来ます。
こんな二人に感動出来るぼくは犯罪者の素質ありですかね（笑）

[投稿情報: かりん]

こんばんは！
哀れな二人でしたね。
八千草ママは強い光で死を覚悟して二人を導こうとしました。
こんな強い愛が二人の両親にあれば違う道を歩むことができたのに
運命に翻弄された二人が本当に可哀想すぎます。

[投稿情報: セカチュウ症候群中年]

推理小説の面白さは、何も「殺人」とかの類のものだけではない
東野圭吾の作品には、この「白夜行」から最近のものまで（「容疑者Ｘの献身」）「殺人」がありますが、そんなにおどろおどろしい場面というか叙述をしていないので、すらりと読めてしまう
特に「白夜行」は殺害場面の叙述は一切ない

ドラマで、具体的に表現されると、最初の頃いったように非常に「重い」
今回の回でも、たとえセリフでも、表現する必要があるのかな?といった場面もある

八千草さんの場面が強調される余り、薬剤師と亮司のやり取りがさらりと流されているという効果を出してしまっているようだ

全１１話が終わってからの総括的な論議を期待している

[投稿情報: メロディ]

Ｎｏｂさん、こんにちは。
家族全員で見ていたっていうのは、かなりつらいですね。
育ての親でも、『親』が殺されるのですから、一緒に見ている親としては立場ないというか、いたたまれないですよね。お子さんの年齢では皆見てるものなのでしょうか？この白夜行は、曜日に限らず、２１時に放送してるっていうのは、ずっと前から今でも疑問ですね･･･。時間帯の振り分け方がよく分からないです。

[投稿情報: Nob]

せとくぼさん こんばんは。
う～ん レビュー書いてて切なかったですね。
ちょっと思い出すのも嫌なぐらいで中々進みませんでした。
ドラマでは礼子の決定的なシーンは描かれていませんでしたが、
最後の病室のシーン・・・あの時あの場において、
雪穂に対して慈悲をも感じさせる礼子に対して何故あのような仕打ちができるのか・・・
ドラマだとはいえ、あそこまで描いていいのかという、そんな思いでいっぱいでした。
話題からはズレてしまいますが、放送時間帯が悪いよ。
せめて10時台にしないとまずいよ、この内容・・・

[投稿情報: Nob]

kid Aさん あれはアリバイ工作ですか・・・
なるほど、そういうことであれば納得です。
また出ましたね、雪穂の笑み・・・今回のは顔が見えない分余計に強烈でした。
何だか、以前に話題に上がったときが懐かしくなるぐらいに、雪穂のこの時の笑みは怖かったです。
私・・・これまで雪穂を正直あまり怖いと思ったことはそんなにないんです。
でも、今日は見ていて情けないぐらいに思えました。
kid Aさんと同じで、はるかちゃんが出ていることすら忘れるぐらいでした。
＞ぼくには、はっきり純愛が見えました。
う～ん・・・見えません。何だか遠のいた気さえします。
ここまで我々を落としてくれたのだから、あと2回で何を見せたかったのか、しっかり見届けたいです。

[投稿情報: io]

こんばんは「白夜行」より前の桜のほうが気になりました
私はもう最終回でどれだけ納得できるか期待するだけです
このドラマからはもう卒業したいです。

[投稿情報: Nob]

かりんさん こんばんは。
TBどうもありがとうございました。

本当に哀れすぎます。
八千草さんの礼子のひとつひとつの言葉が重くて、
それを聞く雪穂の目に涙がみるみるうちに溢れてきて、
もう、このまま終って欲しいと願わずにはいられませんでした。

[投稿情報: Nob]

セカチュウ症候群中年さん こんばんは。
このドラマは結局何を描きたいのでしょう。
石丸Pの本当の狙い・・・森下さんの脚本・・・演じるキャストと制作スタッフで作り上げたいテーマって一体何なのでしょうか。
私 見方が浅いのかなあ・・・今回の内容は正直記事やめようかなと思ったぐらいです。
最初は亮司と薬剤師の典子にも触れたものを書いていたのですが、もう途中で止めちゃいました。
ただ・・・記事をアップ後にTBしていただいたあるブログのレビューを見て少し救われました。
あとで、追記の中でも紹介したいと思っているのですが、TB欄の上から2番目の「ＳＡＲＡＳＡ日より」さんです。
とにかく考察が素晴らしいです。特に＜罪びとは誰か？＞は必見です。
是非ご覧になってください。

[投稿情報: Nob]

メロディさん こんばんは。
もう・・・家の中真っ暗でしたｗ
うち、夕飯が遅くて大体この時間帯なんですね。
さすがに箸も止まり、何も口に運べない状態でした。
私の娘は上から大学1年、高2、中2で、学校でも結構話題になるって言ってました。
まあ、放送時間帯が9時ですから見ている家も割りと多いでしょうね。
さすがに、昨日は途中で会話はなくなりました。

[投稿情報: Nob]

ioさん こんばんは。
もうすっかり私も落ちてますｗ
ioさん程ではないにしろ、昨日はかなり参りました。
あと2回か・・・最後に何を見せてくれるんだろうね。
もう昨日のような思いはしたくないなあ･･･
最後の最後に何を心に残してくれるのか期待したいです。

[投稿情報: Nob]

＜ みなさんへ･･･ブログのご紹介 ＞

セカチュウ症候群中年さんへのレスの最後で紹介したのですが、
この記事のTB欄の上から2番目の「ＳＡＲＡＳＡ日より」のブログを是非訪ねて見て下さい。
こちらの管理人のbalinekoさんのレビューすごいです。
受け止め方、感想などはもちろん人それぞれだと承知していますが、
何か胸に詰まっていたものが少しだけ取れたような･･･
私自身はそんな感想を持ちました。

とにかく素晴らしい洞察力です。特に＜罪びとは誰か？＞は必見です。
是非ご覧になってください。

[投稿情報: roadrace]

Nobさんは、ご家族と一緒にこれを見ているんですね。
それを聞いて、レビューの内容を少し理解することが出来ました。
Nobさんの「やめてくれよ、もういいよ・・・」に心が苦しくなりました。

映画もドラマもそうですが、もちろん１人でその世界にひたるのもいいですが、好きな人と一緒に見てその時間を共有することもそれはとても幸せなことだと思います。

でも今回の白夜行はそんなNobさんの環境で見続けるのはあまりにも辛すぎる内容だったと思います・・・。

balinekoさんのブログに行ってみました。
・・・すごすぎますね(^^)。
文才って言う言葉はこういう人のためにあるのでしょうか。
おかげでこれからさらに白夜行を興味深く見れそうです。

[投稿情報: 豚ちゃん]

白夜行の原作を読んでからと言うもの、他の本を読んでも白夜行のイメージが強くて、すぐ雪穂や亮司につなげてしまいます。
『嫌われ松子』という本。ここの中に『白夜』という風俗の店の名前が出てくるのですが、ここでも白夜なんだなぁと、最近そればかり考えてしまう自分がいます。
雪穂と亮司ほどの闇は抱えていませんが、人間誰でも闇と言うか暗い過去はあると思うのです。その記憶は触れたいけど、触れるのが恐くて、いつもそのまま。いつか暗く悲しい過去を克服したいと思っていますが、きっと死ぬまで抱えていくような気もします。
な～んて、暗いコメントですみません。
今日はいい天気♪　春を撮りに行ってきま～す^^

[投稿情報: はーちゃん]

何だか、さらに重い展開になりましたね。納得出来ない部分が多々あり話すと長くなるので次回にします。(＾-＾)

[投稿情報: balineko （長文すみません）]

Nobさん、いつもコメント＆ＴＢありがとうございます。
コメントのお返事にも書いたんですが、昨日からブログのアクセス数がすごくて（いつもの3倍くらい）、びっくりしてたんですよ（笑）。

Nobさんのご推薦のおかげだったんですね。すごい影響力です！
つたないページを紹介してくださって、ありがとうございます。感情まかせでかいたので、誤字脱字が多く、恥ずかしいですけど。

私のページで、セカチュウ症候群中年さんへのコメントにもちょっと書いたのですが（どうも！）、白夜行が出版されてから、6年半くらい？たってます。それを2006年の今ドラマ化した。その辺に設定を変えて脚本が訴えたいことの鍵があるのかなと勝手に思ってます。

説教臭くならずにメッセージをつたえること、それをやってのけることができるのかを見守っていくつもりです。

でも9話のシーン（西田さんとのもろもろも含め）、9時代のドラマとしてはきつかったですよね。ましてお嬢さんたちとは。私はあんなセリフを（○でも、○でも）深夜ドラマでも聞いたことはないような気がします（笑）。

また遊びに来ます！

[投稿情報: Nob]

roadraceさん こんばんは！
いつもじゃないんですが9話はたまたま家族全員揃ってみてました(^^ゞ
ドラマだとわかっていても・・・まあちょっと辛い内容でしたからね。
＞balinekoさんのブログに行ってみました。
ねぇ～よかったでしょう？
自分もbalinekoさんのレビューを読んでだいぶ気が楽になりました。
もうあと2話しか残っていませんが、ドラマとして楽しみたいと思います！

[投稿情報: Nob]

豚ちゃん こんばんは！
素敵な『春』撮れましたか？
自分もほんの少しだけど撮りましたよ(^^ゞ

自分は白夜行の影響だと思うんですが、最近夕日を気に掛けるようになりましたね～
今の時期だと富士山の方角と重なることはないのですが、
綺麗な夕日を見かけると「白夜行」を思い出しています(笑)
そんな時はいつもデジカメがなく絶好のシャッターチャンスを逃しています(^^;)

暗い過去・・・確かにみんなそれぞれ似たようなものは抱えているでしょうね。
私も・・・妻に言えない過去があるかも・・・なんて(^^;)

[投稿情報: Nob]

はーちゃん こんばんは！
確か前回の8話、いや7話だったかな？
その時も「長くなるので次回に・・・」みたいなコメントでしたよ(^^ゞ
ちゃんと見てます？
逃げのコメントは次回は無しですよ(^^;)

[投稿情報: Nob]

balinekoさん こんばんは！
こちらこそ コメント＆TB大変感謝しています(^o^)v
アクセス数そんなに違いましたか？
白夜行の記事をアップした時は普段よりも多いんですが、
何だか自分も嬉しいです(笑)

balinekoさんのレビューは本当にすごいです！
今回のものはまさに目から鱗・・・でした(^^ゞ
あそこまで見て感じ取ってもらえれば、
ドラマの制作に関わっている人達は本当に嬉しいのではないでしょうか。
あと2話残っていますが、全部見終えたら、
改めて新しい視点で見てみようと思っています。

セカチュウ症候群中年さんへは、ここのコメレスで昨日紹介したんですが、
既にその前にbalinekoさんのところでコメントを残されていましたね(^^ゞ
いつも深い内容でコメントして下さるのですが、
私の洞察力が追いつかず申し訳ないなあって思っています(^^;)

来週のレビューも楽しみにしていますね(^o^)v