亮司と雪穂・・・二人に関わってきた大人たちが今回詳しく描かれていました。
二人に対して自分を悔いる気持ちと痛々しいまでの悲しみ。
後悔先に立たず・・・そんな言葉で言い表わせないほどの大きな痛みでした。
ここまでくると、単に純愛と呼んでいいものなのかどうかはわかりませんが、
子供を愛すること・・・大人が子供になすべきこと・・・
このドラマはとてつもなく大きくて大切なものを伝えたかったのだと思います。
・・・・・
笹垣は図書館を訪れ、谷口さんから11歳の子供だった頃の亮司と雪穂の話を
聞かされます。
笑わない二人がお互いに心を通い合わせ、無邪気だった頃を思い描き、
幼い二人が犯した罪を回想しながら・・・
何故もっと早く二人を救ってやることができなかったのか・・・
どれだけ辛かったろう、どれだけ悲しかっただろう、
もう全て分かったから、もうそれ以上罪を重ねるな!
そんな笹垣の思いが「やめい」と叫ばせたのでしょう。
谷口さんもまた後に笹垣の元を訪れ、亮司と雪穂の犯してきた罪を聞きます。
二人を温かく見守ってきた彼女にしてみれば、
いつまでも可愛い思い出として残しておきたいと願っていたでしょうが、
不安な思いとともにそれは叶いませんでした。
二人が出す信号に気付いてあげられなかったことを激しく悔やみます。
「人殺す知恵あんのに、自首する知恵ないはずがない。
人騙す計算出来んのに、人の人生が想像出来んはずがない。」
この言葉・・・二人の手を引いてあげられなかった事を悔やむ谷口さんに対して
笹垣が言った言葉ですが、私はこれもひとつのメッセージだと感じました。
二人をもっと早く捕まえていれば・・・笹垣も激しく後悔しています。
自分に何か出来ることはないかと尋ねる谷口さんに笹垣は優しかったですね。
「桐原亮司の言葉をみんなに伝えてやって下さい」これは貴方の言葉だと・・・
二人が本当の化け物にならずにすんだのは貴方のおかげですとも言っていました。
衝撃的だったのは弥生子が自ら命を絶ったことです。
あの場所に店を出したのも息子である亮司を見守るため。
ダクトを眺めるシーンがありましたが、いろんな思いが巡ったのでしょうね。
「あの子はまだダクトの中にいる
押し込めたのは私
そんな人生しかあげられなくて・・・ごめん」辛い・・・
谷口さんにより掲示板の亮司であろう書き込みを知らされ、
震える指でなぞるようにそれを読んでいく弥生子・・・
母親として何もしてあげられなかったという後悔の念と絶望感でいっぱいでした。
せめてもの救いは遺影の弥生子が笑顔であったこと。
きっと、こんな笑顔で亮司を抱きしめたかったでしょう。やりきれないです。
雪穂は前回までと違い何かが変わったようにも思えました。
これまで直接手を掛けたのは実の母親だけであり、
それ以降の罪は全て亮司が手を汚していきました。
ただ亮司が犯してきた罪は自身による妬み等から生じたものであり、
育ての親である礼子に対してはそんな感情はなかったはずです。
全てを知ったがために母親である礼子を葬ることは
雪穂にとっても辛いものだったはずです。と言うよりも・・・そう信じたいです。
葬儀の後に倒れた雪穂は心身ともに本当に疲れていたのではないでしょうか。
あそこまで計算づくだったとしたら余りにも悲しい・・・
雪穂が篠塚に語る母の話も私には嘘がないように思えました。
生みの親である文代にしても、育ての母である礼子にしても、
雪穂にとっては間違いなく母親であり、それ故に礼子を葬ってしまったことに
初めて罪を感じ始めたのではないでしょうか。
亮司との電話でのやり取りから亮司が何かをしようとしていることを感じ、
亮司が自分のもとから去っていくのではないかという不安をも大きくし、
雪穂自身が初めて見せた弱さが篠塚に見せた涙のような気がします。
もしそうであるなら・・・雪穂には未だ救う道が残されているのかもしれません。
亮司は笹垣のアパートでノートを見つけます。
同時にここで母親の遺骨と遺書を目にするわけです。
この状況での亮司の心中を察するといくらなんでも辛すぎますね。
亮司に同情するとかそう言う問題ではなく・・・辛いです。
笹垣のノートにより、亮司は初めて笹垣が全てを知っていたことを知りました。
それは雪穂と自分が歩いてきた道のりそのものであり、
自分の存在を誰も知らない幽霊だと思っていた亮司にとっては、
誰よりも自分たちのことを気にかけ、誰よりも見てくれていた笹垣に対して、
ある意味嬉しかったんじゃないでしょうか。
亮司が流した涙からはそんなものが感じられました。
この一連のシーン 谷口さんと笹垣とのやり取りとオーバーラップしていましたが、
かなり泣かせてくれました。
そんな笹垣に対して「だからこんな殺し方をしてはいけないと思ったんだ。」
・・・このドラマではこういう展開になります。
う~ん、もういいじゃないか 亮司・・・そう思わずにはいられなかった・・・
最後とうとう笹垣と亮司は鉢合わせしちゃいました。
予告もかなり気になりました。・・・来週はいよいよ最終回・・・
雪穂は一体どうなるんだろう・・・
追記です。
ノートを全て読み終えた後
亮司は青酸カリを仕掛けた笹垣のアパートに急ぎますよね。
最初に見た時、亮司のセリフが聞き取りにくかったこともあり、
何故と思ったのですが、これは違うんですね。
笹垣に対してはこの殺し方ではだめだってことで、上手く言えませんが
殺害方法にあれはだめ、これはいいってこともないのですが、
要は笹垣に対しては礼を尽くしたいってことなんでしょうね。
殺すのにそんな感情もおかしいかもしれないけれど・・・
つまり青酸カリを用いた殺害は卑怯だって亮司は思ったんでしょうね。
いつ死んでもいいと思っていた亮司なら笹垣と刺し違えることも覚悟の上だったろうし、
きっとそんな思いがよぎったんだろうな。
ちと忙しく感じましたねぇ・・・。最終話へ駆け込みですかね。
今回はぽんぽんとぱまっていったのでさらっと見てました。
これを最終話で最後の型にはめるのかひっくり返すか・・・。
まあ、私はたぶん泣けそうにないですね。。。今の感じだと。
投稿情報: マリオが乗る恐竜 | 2006年3 月17日 (金) 11:55
Nobさん速攻ですね(◎◎;)
私も恐竜君と同じでこのドラマでは泣けませんね、、、たぶん?
かわいそうだとは思いますが心を打つものではないのでどうしても
グッとこみ上げて来るものがないんです
でも今回は気になった事などがけっこうあったのでしっかりレポしようと思ってます!
投稿情報: io | 2006年3 月17日 (金) 12:10
Nobさんの考えと私も同じでした^^;
あの二人と、笹垣、谷口さん、亮司の母の思いを察すると心が痛く、辛いですね。
所詮ドラマの話・・・と思っていても、もうどっぷり白夜行にはまっているので、涙、涙です。
来週の最終回、その後、自分の中に何が残るのか、どんな思いが残るのか、楽しみです。
投稿情報: 豚ちゃん | 2006年3 月17日 (金) 14:03
マリオ殿 こんにちは~
確かに今回は忙しい展開だったと思う。
でも自分はかなり面白かったです(^^ゞ
最終話時間延長もなく通常放送なんだよね。
どう締めるのか自分はすごく楽しみです!
投稿情報: Nob | 2006年3 月17日 (金) 17:28
ioさ~ん 泣ける泣けないじゃなくて・・・
心打つようなところないですか(^^ゞ
ioさんの見方、感じ方、受け止め方だからどうしようもないけど、
このまま早く終って欲しいっていうのは
正直自分はもったいない気がします。
もったいないって表現もよくないけどね(^^ゞ
いろんな意味で問題作だと思うんですよ。
出来れば何か感じ取って欲しいなって願っています。
投稿情報: Nob | 2006年3 月17日 (金) 17:33
笹垣に向かう亮司…今までの殺害と違った気持ちで…なんか色々な感情で見てしまいます。いよいよ来週で最終話……
投稿情報: XJ | 2006年3 月17日 (金) 17:36
豚ちゃん こんばんは!
>Nobさんの考えと私も同じでした
すごーく嬉しいです(v^-^)Thanks♪
所詮ドラマ・・・されどドラマ・・・この作品は奥が深いです。
レビューに書けなかったことも多いんです。
全部書いちゃったらずーっとスクロールしなきゃだめだからカットしました(^^ゞ
最終話どんな展開になるんだろうね~すご~く楽しみです!
と言うよりも・・・終るのがさみしいですね(^^;)
投稿情報: Nob | 2006年3 月17日 (金) 17:40
XJさん こんにちは!
最後の亮司の顔すごかったですね。
笹垣のノートを読みながら、自分たちの存在を知っていてくれたんだ・・・そんな思いで流した涙だと思い、ジーンってきたのですが、青酸カリを使ったやり方じゃだめだなんて・・・どういう展開なんだって思わず突っ込みたくなりました(^^ゞ
まあ、これは冗談ですが、自分もね 今回いろんな思いで見ていましたよ。
ああ~いよいよ最終話か・・・どうエンディングを迎えるんでしょうね。
投稿情報: Nob | 2006年3 月17日 (金) 17:50
いや~TBの数がすごいですね。あいかわらず盛況でなによりです。
今回もよかったです。わたしもこのドラマにどっぷりとつかってしまいました。泣きはしませんけど・・・。
あと1話で終わりなんて,正直さびしいですね。
怒涛!!の最終話,どのように終幕するかとっても楽しみです。
投稿情報: シロクマ | 2006年3 月17日 (金) 18:18
シロクマさん こんばんは!
どっぷりはまってますか!
いや~そう言ってもらえると何だかすごく嬉しいです(^^ゞ
ドラマの内容は重くて暗いですが、底辺に流れているものや背景ってすごく考えられた練られたものだと私思うんですよね。
だから一人でも多くの人にそういったものを感じてもらえればなあって最近思っています(^^ゞ
投稿情報: Nob | 2006年3 月17日 (金) 18:36
こんばんは!
>殺害方法に礼をつくす・・
私もそう思いました。自分の手を汚さない毒殺ではだめだと、
自分の身を当てることが一つの美学だったのでしょう。
親よりも自分をよく見続けてくれたことに対しての。
投稿情報: かりん | 2006年3 月17日 (金) 19:51
心の奥底がぎゅ~っと締め付けられるような思いをしつつ、見終わりました。涙がたくさん流れるからいいドラマっていうわけでもないでしょうが、私は少なくとも魂を揺さぶられるような感じで今回の話を見させていただきました。
亮司が笹垣のノートを見つめ、典子のセリフが流れて涙をこぼすシーンは凄かったです。
ただ、今回は雪穂の登場シーンがちょっと少なかったですね(^^;。
投稿情報: roadrace | 2006年3 月17日 (金) 22:55
こんばんは
このドラマはいろいろな意味で重いですね。
ドラマをさらっと見ている人は
何で、雪穂や亮司にそこまでしちゃうの、
笹垣にもう勘弁してやれよって思っちゃうんでしょうね。
でもどっぷりはまっている人は、その中に秘められた人の業、親の業、人の弱さとしたたかさの二面性を感じて大変はまってしまう思うんだと思います。
私もどちらかというと、前者なんですが(笑)、
はるかちゃんが一生懸命演技しているのを見ると、
なんかこのままではもったいないような気がして、もう一度じっくり見直したいなという気持ちです。
なんだかんだで最終回になってしまいましたね。
見終わって、皆さんの心になにが残るか・・・・。
私は、みんなそれぞれにいろいろなものが残ったドラマになったと思います。
それが結局ドラマの評価になるんでしょうね。
はるかちゃんの女優魂に高評価というのは間違いないですが。(笑)
投稿情報: せとくぼ | 2006年3 月18日 (土) 00:20
Nobさん、こんばんは
ほいです。
私は、白夜行、おっそろしいほど、どっぷりはまっております。
特に、今回の10話は、ずっと泣き通しでした。
その中でも、篠塚と雪穂のシーン、雪穂が篠塚に
”愛しかたが分からない”と言ったくだりのシーンは号泣でした。
自分でも、なぜこんなに涙がでるか分からないほどの涙が出ました。
そして、分かったのです。
自分が、今回の白夜行に、はまれているのは、
白夜行の人物の中で、特に雪穂に自分と共通する何かを見ているのだと...
言っておきますが、
私は、当然殺人などしません。人に嫉妬して、幸せを壊そう、など考えたこともありません。
ですが、雪穂が持つ表の顔、裏の顔や、他人への嫉妬心は、多かれ少なかれ、人が誰でも持っていると思います。(はるかちゃんも、公式HPのインタビューで、自分に似ている部分があるとおっしゃってましたし)
ただ、雪穂は、それを顕著にデフォルメした人間であると言うだけです。(いや、もしかしたら、現代社会では、雪穂のような人が実在しないとも言い切れませんが...)
そして、そのように、雪穂に感情移入できているのは、
やはり、そのような雪穂を、はるかちゃんが本当に完璧に演じてくれているからです。
今回、白夜行に出会って、本当にいろいろな事を考えさせられました。
その意味で、はるかちゃんには本当に感謝しております。
残り、最終話
雪穂がどのような選択をして、どう生きるかを見守りたいと思います。
投稿情報: ほい | 2006年3 月18日 (土) 02:24
かりんさん こんばんは!
TBどうもありがとうございましたm(_ _)m
幽霊であった自分の存在に気付いて追っていた笹垣に対しては、
毒殺という選択肢は余りにも安易で卑怯だと思ったんでしょうね。
投稿情報: Nob | 2006年3 月18日 (土) 02:44
roadraceさん こんばんは!
このドラマ毎回重いですが、今回の10話はそれぞれの葛藤が描かれていて
自分としては一番面白かったような気がしました。
笹垣の回想シーン・・・一番キュンとしましたね(^^ゞ
投稿情報: Nob | 2006年3 月18日 (土) 02:47
せとくぼさん こんばんは!
このドラマに限らず キャストや脚本、演出家などドラマの人気を計るものっていくつかありますよね。
ストーリーなどまるっきりお構いなしで単にキャストで楽しむ人もいるでしょうし、
脚本家が好きで見るドラマを決める人もいます。
要はどれだけ興味を持てるかってことじゃないんでしょうか。
キャストや脚本に期待が大きければ大きいほど、すんなり入っていけない場合はもうどうしようもなく裏切られた気分にもなります。
特にこの白夜行のようなドラマは○か×かの判断がくっきり分かれるような気がします。プラス原作ありきですから余計にそうなっちゃいますよね。
自分も最初のうちは中々入り込めなかったですね。
たぶんはるかちゃんが出ていなかったら途中で見るのを止めたかもしれません。
でも、何だかんだと言いながらもあと最終話を残すだけになってしまいました。
もうあとはあれこれ考えず、単純に楽しもうと思っています。
投稿情報: Nob | 2006年3 月18日 (土) 03:07
ほいさん こんばんは!
嬉しいコメントありがとうございます!
ほいさんの率直な感想(コメント)読んでいてホッとしました(^^ゞ
雪穂という今までにない役を演じているはるかちゃんは
すごいプレッシャーと戦っていると思います。
もちろん女優であるからこそ出来るものであり、現実社会においてそのままはるかちゃんに当てはまるものではありませんよね。
白夜行は言い換えればすごく馴染みにくいドラマだと思います。
単純に見て楽しむような内容ではないし、テーマ自体も見る側がその気にならないと見えずらいかもしれません。
でも、そんなドラマに敢えてはるかちゃんは挑んでいるわけだし、私は彼女の成長振りをちゃんと確かめたいし、お疲れ様って言ってあげたいです。それが一番素直な気持ちかもしれません(^^ゞ
最終話 是非楽しませてもらいましょう!
ほいさん、また遊びに来てください(^o^)v
投稿情報: Nob | 2006年3 月18日 (土) 03:21
今回は切ないシーンが多々ありましたね。
亮司の母が命を絶ったこと、
谷口さんが気付いてやれなかったと
自分を責めているシーン。
笹垣の『やめぃ』という言葉は本当に重かったです
投稿情報: あい | 2006年3 月18日 (土) 08:38
あいさん こんにちは!
TBどうもありがとうございます!
いよいよ来週は最終話に突入ですね。
またお邪魔させていただきます。
レビュー楽しみにしていますね~
投稿情報: Nob | 2006年3 月18日 (土) 16:09
今回で一番ショックだったのは 弥生子の自殺です。
礼子の時は原作で知っていたので覚悟は出来ていましたが 弥生子の自殺には心底驚きました。
弥生子は二人の真実に触れながら唯一死を与えられなかった人物なんです。
そこが礼子と違うところであり、やはり血を分けた母子の絆なんでしょう。
亮司が死亡届を出したときに流した涙はまぎれもなく母として子を思う気持ちから出たものであり、その時本当の母子になれたんじゃないでしょうか。
それからの 弥生子は少なくとも亮司にとってはいい母でした。
それだけにあんな事になって本当に残念でなりません。
不倫の代償としてはあまりにも重すぎる罰。
いくら自分が蒔いた種とはいえ悲惨すぎる人生でした。
笹垣は以前に誤認逮捕でその娘を自殺に追い込んでるんですね。
今度は息子を逮捕出来なかったためにその母親を自殺に追い込んだ。
過去の出来事はこの伏線だったんですね。
笹垣もまた多くの犠牲者を出してる訳です。
「白夜行」の感想で多く聞かれたのが、二人に罪を償ってほしいというものでした。
そもそも罪を償うって何なんでしょう。
裁判を受け刑務所に入って刑期を終えれば償った事になるんでしょうか。
出所してすぐにまた犯罪を犯す人も少なくありません。
罪を償うとはどういう事なのか、そのあたりもこのドラマは問うているような気もします。
投稿情報: kid A | 2006年3 月18日 (土) 23:22
kid Aさん おはようございます!
感想 お待ちしていました(笑)
弥生子の自殺は本当にショックでしたね。
先週の予告で亡くなることはわかっていましたが、
こんな形の最後になるとは思っていませんでした。
先週の谷口さんにすがる姿や掲示板の書き込みなどをなぞるシーン等が
すごく痛々しかっただけにより悲しみを誘いました。
弥生子は絶望の中で亡くなっていきましたが、最後に谷口さんに会えたことで少し救われたような気もしました。
息子のことを語ることなど今までにきっとなかったでしょうが、
谷口さんには心の叫びみたいなものを伝えられたんじゃないかなって思っています。
でも、本当に悲しい最後でしたね。
投稿情報: Nob | 2006年3 月19日 (日) 08:34